
"日本初5核ショッピングセンター
ビビットスクエアが船橋市に"と発表があったのが、2003年9月のことだった.

しかし、5核が7核6核に変わったことなどからも、テナント確保はかなり難航したと思われる.

今考えれば、これが敗因の最大の理由だったのかもしれない.

大成建設(株)による国内最大級の吹抜空間を持つ店舗建設工事は順調にすすみ、2004年12月にグランドオープンをした.

年間来場者数2500万人の
TOKYO-BAYららぽーとのとなりということで、郊外型店舗でありながらも想定年間来場者数年間800万人を目標にしていた.


しかしながら、
ビビットスクエアの来場者数は目標の1/3にも達していないと思われ、今回デベロッパー業務を担っていた
パシフィカモールズ(前身はパシフィカコーポレーション)が、売却を請け負うことになってしまった.


船橋のビビットスクエアの実質上開発者の
ラサールインベストメントマネジメントは、物流不動産への投資を全世界で展開している外資系会社だ.

社員数約2万人、運用資産残高は約5,000億円、管理面積約662万m2(約200万坪)を超える巨大企業で、日本国内においては、2004年3月に東京都江東区若洲で大型物流センターの建設し、すでに運用を開始している.

また、千葉県市川市塩浜に物流センター(日通が使うものと思われる)を建設中で、2005年10月末に完成させる.

そして、千葉県柏市の工業団地内には、関東内陸地最大級となる柏物流センター(敷地17,981坪・約33,000坪)を着工している.

ラサールは、これらの大規模な開発を自己資金でおこなっているわけではなく、信託受益権をファンドに組み入れて、投資会社や個人投資家・北米の公務員の年金運用団体などから投資を受けて運営している.
ビビットスクエアもこれらの資金で建設運営されたのだ.

したがって、利益の見込めないような物件は、できるだけ早く手離す必要があり、それがわずか1年にも満たない期間で売却しなければばいけなかった最大の理由なのだ.

特に2006年4月には、
イケア(IKEA)や
スーパービバホームが次々にオープンするので、
OKAY や
スーパーバリューなどの核テナントは、カテゴリがもろに重なるためさらに厳しくなる.

そのような地域の特性も考慮して、自力での再建に見切りをつけて売り逃げを決断したと思われる.